米艦船室蘭港入港に関する室蘭市への申し入れ
掲載日:2006.02.02
2月1日、午後2時、私たちは室蘭市を尋ね、総務部長・港湾部長に対し別紙「申入書」を手交するとともに、室蘭市側の見解を質しました。今回の申し入れは、「入港許可を撤回する」「少なくとも今後の前例にはしない」ことを求めつつも、入港に際して常にネックとなっていると思われる「日米地位協定5条」に焦点をあて、国内法である港湾法との関係等を中心にやり取りをしました。
私たちの見解は、
①日米地位協定5条に定めているのは「強制水先の免除」と「港湾使用料の免除」だけであり、通告だけで自由に入港できるとの定めはない
②日米地位協定5条には、「日本国への入国及び同国からの出国は、日本国の法令による」と定めており、同5条に関する「日米合意議事録」にも、「この条に特に定めのある場合を除くほか、日本国の法令が適用される」と明記されている
③したがって、入港を許可するか否かの判断はあくまでも港湾管理権を持つ室蘭市長である
④また、不平等取り扱い禁止を定めているという港湾法13条も経済活動上の不平等取り扱い禁止を定めているもので、米軍艦船の入港を想定しているものではないーと訴えました。
これは、米軍艦船の入港問題を抱えている全国各地の反対運動の根拠としているものです。
こうした私たちの見解に対し、室蘭市側は概要次のような見解を示しました。
①1月19日の入港申し入れがあって以降、アメリカ総領事館・道・国土交通省・外務省などと協議したが、特に外務省・国土交通省から「市民の不安などは断る理由にならない」とし、主として日米地位協定を論拠に受け入れるよう指導された
②行政機関としての上下関係、外交は国の専権事項といった環境の中では入港を許可するしかないと判断した
③日米地位協定については室蘭市としても今後研究・検討を行う
④港湾法13条は確かに経済活動上の不平等取り扱い禁止を定めているものだが、同法47条の規定をあるとして、入港拒否はできない
⑤各団体からさまざまな申し入れを受けているので、明日再度アメリカ総領事館に赴き再考を求める―などというものでした。
北海道平和運動フォーラムとしても、粘り強い入港反対運動と合わせて、入港の論拠となっている「日米地位協定5条」「港湾法13条等」などについての検討を引き続きすすめていくこととします。