第16回憲法問題連続講座を実施しました。
掲載日:2017.11.21
北海道平和運動フォーラム主催の第16回憲法問題連続講座が、ブックレット「ピンポイントでわかる自衛隊明文改憲の論点」発刊記念として、11月7日(火)午後6時30分より自治労会館にて、200人のみなさんの参加の中開催された。
冒頭、主催者挨拶で、北海道平和運動フォーラムの長田代表は、「今後、かつてない改正への動きが加速する。引き続き、戦争をさせない北海道委員会の運動を基軸に、広く道民世論を巻き込んだ一大道民運動を展開していく」とあいさつした。
次に、問題提起Ⅰでは、清末愛沙室蘭工業大学准教授から「9条明文改憲問題」として、「安保法制下での自衛隊明記は平和主義の完全崩壊を意味する。平和主義は三大原理の一つ。これに反するような憲法改憲というものは理論上出来ない。24条と9条は平和主義を支える両輪である。」と訴えた。
また、問題提起Ⅱでは、池田賢太弁護士から「教育の無償化と参院合区解消問題について」触れ、「社会の貧困を「子どもの貧困」という言葉で見えにくくしている。貧困問題が社会にある以上、お金を使った段階的な徴兵制はありうる。表面上は今の生活と同じまったくわからないけれど、制度自体が戦争に向かって突き進むというのが教育無償化の中にある。無償化という言葉は一見聞こえがいいが、背景に含まれるのはもっとドロドロしたものがある。」「区割りの問題だけであれは、法律改正だけで済む事項。憲法に明記する意味はどこにあるのか? 憲法とは何か。社会契約としての憲法であり、私たちがどのような社会に行きたいのかを考えるところからはじまる。」
最後に、問題提起Ⅲとして、岩本一郎北星学園大学教授からは「緊急事態条項・<知る権利>の問題」について、「「知る権利を明記する」と言っているが、むしろ逆。明記することで政府に都合の良い情報を国民に知らせる、そのための改正。緊急事態条項は立憲主義と真逆の考え。水と油。緊急事態条項は憲法をストップさせること。緊急事態条項は人権保障ではなく国家存立維持のため。」
自衛隊の9条明記の狙いや明文改憲で何が変わるのかなど、それぞれ問題提起が行われた。
その後、問題提起された3名によるパネルディスカッションが行われ、最後に岩本教授から「ナチスのホロコーストの始まりは障がいのある人に対する虐殺から始まった。戦争に役に立たない人間を殺していくこと。日本をそういう社会にしていいのか?今が重要な分岐点。」と語った。
最後に飯島滋明名古屋学院大学教授が、「憲法9条にあらたに自衛隊を明記すれば、憲法9条は「無力化」され、世界中で自衛隊が戦う可能性が出る。憲法改正を目指す安倍政治に対し、適切に対応することが求められる。」と閉会のあいさつし終了した。