「世論の力が政府を追いこむ」戦争をさせないシンポジウム
掲載日:2015.06.23
「戦争をさせない北海道委員会」は19日、札幌・共済ホールで「『戦争法』で日本は戦争をするのか」と題してシンポジウムを開催し、約650名が参加しました。
主催者を代表して小樽商科大学名誉教授 結城洋一郎さんより「安倍政権は立憲主義を否定する暴挙を繰り返している。積極的平和主義の名の下に国民を愚弄している。道徳的感性の退廃である。また最高法規である憲法を安保法制に適用させているなどの考えは、ヒトラーでさえ思いつかないのではないか。こうした中、今日シンポジウムができたことは有意義であると考える」と挨拶しました。
シンポジウムは法政大学教授山口二郎さんがコーディネーターを務め、東京新聞編集員半田滋さんと室蘭工業大学大学院准教授の清末愛砂さん、作家の雨宮処凛さんがパネリストとして参加し討論を行いました。
半田さんからは「イラク戦争にアメリカの同盟国として参加したイギリスとスペインはテロ攻撃に遭っている。また現在イスラム国に対し空爆を行っている国も同様である。日本が同盟国に後方支援である給油活動や物資援助を行えばテロの攻撃のターゲットになることは明白。今回の安保法制はテロの危険を呼び込むものである」と集団的自衛権を行使した場合の影響について指摘しました。
雨宮処凜さんからは「東京では連日座り込みが行われているが、若者が頑張っている。彼らは中高生の時に東日本大震災を経験や特定秘密保護法の強行採決など政府の対応に対して不信感を募らしている。そして今安保法制で戦争に行かされるのではないかという危機意識が高まっている。」と運動と連帯の重要性について訴えました。
清末さんは、自身がパレスチナ難民の支援に関わった際、日本がイラクに海外派遣したことについて、「現地の老人から叱責され『アラブの国に外国軍を置くのは許さない』とはっきり言われた。また『存立危機事態』というが、戦争は国家を優先し、国民の生命は後である。(この戦争法案で日本がテロに遭うかの可能性が高いことから)どのように国民の生命を守るのか疑問である」と指摘しました。
最後にコーディネーターの山口二郎さんからは「政府は法案を成立させるために、通常国会を9月末まで大幅に会期延長せざるを得ない状況である。このことは確実に『国民世論の力が政府与党を追い込んでいる。』ことである。われわれは安倍政権に決してやられっぱなしではない、怒りの声を上げ、運動を進めて安倍政権は追い込んでいこう」と呼びかけ討論を終了しました。