自衛隊イラク派兵の期間延長に対する抗議声明
掲載日:2004.12.09
大多数の国民がイラクからの自衛隊撤退を求めているにもかかわらず、小泉政権は本日、1年間の期間延長を閣議決定した。この無謀な企てに強く抗議する。
北海道平和運動フォーラムは毎年、市民団体とともに、アジア・太平洋戦争が開始された12月8日に不戦への決意をこめた集会を開催しています。
今年の集会は翌日の9日にも自衛隊のイラク派兵期間が延長されようとする情勢のなか、「撤退させよう自衛隊!」「終わらせようイラク占領!」のスローガンのもと、北海道教育会館を会場に開催されました。
この間の海外派兵の常態化、世界的な米軍再編による在日米軍基地強化の流れ、憲法、教育基本法改定への動きなど、戦争前夜ともいわれる状況を受けて、集会にはフォーラム組合員はもとより、多数の市民も駆けつけ380名が参加、立錐の余地のない熱気あふれる集会となりました。
いま、アメリカ軍に対する抵抗勢力の反撃は激しさを増し、米軍はバグダッドでさえ治安を維持することができなくなっている。また、すでにアメリカはイラクに大量破壊兵器は存在しなかったことを認めている。もともとイラク侵攻は国連憲章や国際法に違反するものであったが、アメリカ自身が掲げていた大義すら失われた。しかし、米軍はなお居座りを続け、ファルージャへの掃討作戦は、日々、夥しい市民の犠牲を生み出している。
自衛隊が派兵されている南部サマワでは、宿営地への攻撃が相次いでいるが、それでも政府は「戦闘地域ではない」と言い張ってきた。小泉首相に至っては「自衛隊の活動する地域が非戦闘地域」とさえ開き直っている。「多国籍軍」への参加によって自衛隊は占領軍とみなされており、今後も度重なる攻撃やこれへの応戦によって相互に死傷者が発生する可能性は高まっている。憲法違反の占領軍参加をやめさせ、一刻も早く撤退に向けさせなくてはならない。
一方、イラク攻撃の失敗をよそに、アメリカは効率的に部隊を世界に展開するため、世界的規模での米軍再編(トランス・フォーメーション)の検討に入っている。その中心には在日米軍基地が据えられ、米日の司令部機能の統合が着々と進んでいる。また、昨年来、「有事法制」も整備されており、米国のパートナーとして世界の至るところに自衛隊が派兵される状況がつくられようとしている。
さらに、このように急速な日本の軍事国家化と歩調を合わせ、憲法、教育基本法の改定がいよいよ現実のものとなってきた。その狙いは「戦争を遂行できる国家」づくりに他ならず、このような「いつか来た道」への歩みをなんとしても押しとどめなくてはならない。
今後の日本は、平和憲法を持つ国にふさわしく、アメリカを中心とした「有志連合」の枠組みから抜け出し、「国際連合」などとの連携のもと、あくまでも非軍事の対話と協調を基本とした外交に尽くすべきである。
われわれはこのことを基本に置き、今後も、道民、市民とともに「撤退させよう自衛隊」「終わらせようイラク占領」の声を大きく広げることを新たに決意するものである。
2004年12月9日
北海道平和運動フォーラム
代 表 杉山さかえ
代 表 江本 秀春
代 表 小林 雪夫