報告 21世紀を平和の世紀に!12・8北海道集会
掲載日:2004.12.09
北海道平和運動フォーラムは毎年、市民団体とともに、アジア・太平洋戦争が開始された12月8日に不戦への決意をこめた集会を開催しています。
今年の集会は翌日の9日にも自衛隊のイラク派兵期間が延長されようとする情勢のなか、「撤退させよう自衛隊!」「終わらせようイラク占領!」のスローガンのもと、北海道教育会館を会場に開催されました。
この間の海外派兵の常態化、世界的な米軍再編による在日米軍基地強化の流れ、憲法、教育基本法改定への動きなど、戦争前夜ともいわれる状況を受けて、集会にはフォーラム組合員はもとより、多数の市民も駆けつけ380名が参加、立錐の余地のない熱気あふれる集会となりました。
江本秀春道フォーラム代表、林炳澤行動する会共同代表が主催団体、共催団体として挨拶した後、坪井主税札幌学院大学教授の特別報告、山口二郎北海道大学法学部教授による「戦後政治の崩壊―日本は何を求めているのか」のテーマで講演がありました。
坪井教授は自衛隊イラク派遣差し止め訴訟を起こした箕輪登元郵政相にかわってオランダ・ハーグで「中東における正義と平和のための国際会議」に出席し「自衛隊のイラク派兵は日本国憲法違反。箕輪訴訟に国際的支援を」と訴えてきました。この国際会議は世界の平和団体によって国際司法裁判所で開催されたものですが、その訴えは大きな共感を集めたことが報告されました。
次いで山口教授は講演の中で「世界で戦争と不平等が進行している。これは平和と平等と対抗軸になっている。日本も戦争と不平等の道に入っている。この中で憲法改定が議論されているが、国民の中には、改憲によって閉塞した状況が変化するのではないか、との幻想がある」「現憲法は人類普遍の原理であり、変える必要はない。改憲勢力の本音は9条を変えたいということだ」とし、「改憲派でも9条はそのままに、という意見は多い。思想を超えた9条擁護の戦線拡大が重要」また「長期的には非武装中立だがそれは100年のスパンとなる。短期的には自衛隊は憲法違反と切って捨てるのでなく、海外派兵や集団的自衛権行使にまで突き進もうとする自衛隊を、とりあえず専守防衛のレベルまで引き戻すシナリオづくりも必要ではないか」と問題を提起しました。
集会は最後に「非戦・平和の運動を力強く進める」とのアピールを確認、小林雪夫代表がまとめと閉会挨拶を行い終了しました。
と き:2004年12月8日(水)開場17:30 開会18:00
ところ:北海道教育会館7Fホール
主 催:北海道平和運動フォーラム
戦後50年北海道行動実行委員会