報告 「第34回紀元節復活反対2.11道民集会」


掲載日:2011.02.17


2月11日、札幌共済ホールで「第34回紀元節復活反対2.11道民集会」を開催しました。靖国神社国営化阻止道民連絡会議(靖国共闘)の主催で約400名が参加。
この日は「建国記念の日」で、何の歴史的根拠もなく、明治政府が神話をもとに制定し、侵略戦争の道具とした「祭日」=「紀元節」にあたります。これに異議を唱えるため毎年、本集会を開催しています。


集会では、札幌北光教会・後宮敬爾(うしろく よしや)牧師が主催者挨拶を行いました。後宮牧師は「『日の丸・君が代』との闘いは良心の闘い。そして良心を守ることは人、教育、子どもを守ることであり、平和をつくることだ。北東アジアの本当の平和を守るために、思想と良心、信教の自由を皆さんとともに求め、この働きが未来の平和を創ることに直接つながると確信している」と述べました。

次に、関西学院大学教授の野田正彰さんが「天皇制と『日の丸・君が代』」と題して講演しました。
野田さんは、「日の丸」をめぐる戦後史をはなし、「日本社会、日本人全体が、戦争で何をしたかを否認し続け、近代の歩んできた道を無視し続け、偽りの歴史を頭の中に入れて、偽りの栄光の近代をマスコミ、教育等を通して煽り続けている。そこでいかに適当な論理がつくられているのか、私たちは現実をきちんと見て、知って、その中からできることを設定し、理想をつくっていくリアリズムと理想主義を持つことが必要だ」とし、靖国を例にあげ、「靖国でやっていることはまさにその反対。すべての戦争の歴史を隠し、『平和の靖国』、『戦後の平和をつくった靖国』へすり替えようとしている」と話しました。
そして、「私たちは近代の日本の歩みを引きずりながら生きてきて、その生き方を容易に変えることはできないが、日々、近代の歴史は何だったのか、被害にあった人と対等な感情交流ができるよう努力していくことが、私たちが人間として感情を取り戻す道だ」と述べました。

最後に、自治体首長に対する「憲法の擁護・尊重に関する要請文」と「思想・良心の自由」「信教の自由」を保障した「平和憲法」を守り生かす運動をすすめる「集会宣言」を参加者全員で確認し終了しました。