-被爆60年を転換の年に-核廃絶を市民の手から!! NPT市民集会
掲載日:2005.04.14
ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキの訴えは、核兵器廃絶と平和を願う人々の心からの叫びです。
しかし、核兵器は世界中に約3万発存在しています。対テロを理由とした米ロの「使える核兵器」への核戦略転換や臨界前核実験の強行、北朝鮮の核兵器開発、イスラエル、インド、パキスタンの核兵器保有や闇市場への流出など拡散の動きが強まっています。
今年5月、国連においてNPT(核不拡散条約)再検討会議が開催されます。前回2000年の会議では、核兵器廃絶に向けて、「核兵器保有国の核兵器廃絶に向けた明確な約束」など13項目の合意が行われました。今年の再検討会議にも世界から多数の代表団が派遣されます。
NPTとは何か。再検討会議の意義と課題は。被爆60年という節目の年に開かれるこの国際会議の内容を認識するための学習会を開催しました。
4月13日夜、KKR札幌で開かれた「NPT市民集会」では、「NPT再検討会議の意義と課題」のテーマでピースデポ代表の梅林宏道さんが講演しました。
梅林さんは、前回(2000)年の再検討会議で約束された核軍縮に向けた13+2項目について、それを実現するための日本の努力を成績表に現すとA~EをランクとするとDランクにしかならないことを報告。前回の約束にも否定的態度を示していたこと、核の傘による安全保障の幻想から抜けきれないことを指摘、また、被爆国日本はいままで一回も核兵器廃絶への道筋を示したことがないとし、核に依存しない日本の外交政策の確立を求めました。また、米国の「使える核」の開発に警戒を示し、核保有国の立場からNPTを逆利用していると分析しました。最後に非核地帯が世界に広がっていることを踏まえ、東北アジア非核地帯構想の具体化に進むべきとの提言がなされました。
講演を受け、平和フォーラムNPT再検討会議アメリカ派遣団(26人)の一員として参加する、住友肇道フォーラム副代表(北教組副委員長)が決意表明「核にかかわる問題は殆ど知られていない状況にある。情報を共有化することが大切だ。その上で核兵器廃絶に向けた取り組みを粘り強く進めたい」と訴えました。
この日の参加者は市民団体も含め200名、会場も満席となりました。