北海道議会における「教育基本法の改正を求める意見書」採択に対する抗議声明


掲載日:2004.12.13

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12月10日、北海道議会に自民党道民会議より「教育基本法の改正を求める意見書」案が提出され、賛成多数で可決された。北海道平和運動フォーラムは強くこれに抗議する。
決議の内容は「青少年によるたび重なるいたましい犯罪に見られるように、道徳心や規範意識はいよいよ希薄化し、学校教育においては、学級崩壊やいじめ、不登校、学力の低下等が指摘されている」「家庭や地域社会での教育力が十分発揮されず、教育の抜本的な改革は、国民的な重要課題である」「新しい教育基本法のもとに、我が国の歴史・文化・伝統を尊重し、国や郷土・共同体を大切にする心を育み、さらに家庭での教育が充実され、国際社会において個性と品位を持った活気あふれる国にすることが求められている」ので「教育基本法について国民的な議論を尽くしながら、改正が行われるよう」要望するものとなっている。
しかし、今日の教育荒廃に現行教育基本法がどのように影響しているかについては一言も触れられておらず、「22年に制定されて以来、一度も改正されることなく」と最初に改定ありき、の意図が見え隠れする内容となっている。
国会の動きを見れば、2月末に発足した超党派の議員による「教育基本法改正促進委員会」は、6月に民間臨調との合同総会を開催し、教育の目的を定める条文に「教育は人間の内在価値を開発して共同体のかかわりの中で人格を統治し、社会、国家、ひいては世界に貢献する日本人を育成することが目的である」「伝統と文化の尊重、愛国心の涵養、道徳性の育成が目的である」と「愛国心」を盛り込んだ大綱(案)を発表している。
「愛国心」の表現をめぐっては自民・公明で意見が分かれていたが、「教育は、不当な支配に屈することなく」の基本法第10条を、「教育行政は、不当な支配に服することなく」に読み替えることでは一致しており、問題だらけのものとなっている。
今日の教育は「日の丸」「君が代」の強制、「学習指導要領」や国家道徳の押し付けが徹底され、復古的な国家道徳のもと「個」より「国」の尊重が強制されている。
このような流れの中で、「教育基本法改正法案」は次期通常国会への上程が確実視されている。
また、自民党北海道地方議員連絡協議会会長の久田恭弘道議(小樽市)が、『教育基本法の早期改正を求める意見書採択の推進について』の文書を12月6日付で全道の自民党議員に対して送付していることも判明しており、今後は北海道の市町村議会で「促進決議」が続発することが予測される。
いま、自衛隊の海外派兵、有事法の制定、米日軍事一体化の動きなどによって平和憲法の存在すら脅かされている。教育基本法は「教育の憲法」と言われている。これが改定されれば「戦争国家」づくりは一層進行することは明白である。
われわれは今回の暴挙を厳しく糾弾するとともに、引き続き「教育基本法」改定反対の運動を教職員組合などとともに、多くの道民への訴えを強め前進させることを決意する。

2004年12月13日
北海道平和運動フォーラム
代表 杉山さかえ
代表 江本 秀春
代表 小林 雪夫