「箕輪訴訟」第6回口頭弁論開かれる。第2次提訴の審理も併合。国はなお認否を否認。


掲載日:2005.04.12

元自民党衆議院議員で防衛政務次官・郵政相をつとめた箕輪登さんが「自衛隊のイラク派兵は、憲法・自衛隊法に違反し、平和的生存権を侵害する」と国に対して起こした差止訴訟の第6回弁論が4月11日に開かれました。この日から3月23日に追加提訴した第2次訴訟の審理も併合されることとなりました。第2次訴訟原告団32名には、小林雪夫道フォーラム代表も加わっています。
原告意見陳述で、体調不良を超えて出廷した箕輪登さんは「最小限度の自衛力を合憲とする専守防衛の憲法解釈からも、自国への侵略行為がないのに外国領土で武力行使するのは憲法9条違反」とし「イラク派兵は日本国憲法の理念を踏みにじるもの。私はやむにやまれぬ思いで提訴した」と身体から絞り出すように切々と、その心情を訴えました。

次いで第2次訴訟原告の坪井主税さん(札幌学院大学教授、平和学)猫塚義夫さん(医師・反核医師・歯科医師の会)が意見陳述。坪井さんは国際法の立場からイラク攻撃の不当性を分析、最後に「過ちを改めるのに遅いということはない。イラクの自衛隊員に何かが起こらないうちに、私たち日本国民が要らぬ精神的不安から解放されるように、司法の力によってイラク派遣を差し止めていただきたい」と結びました。また、猫塚さんは劣化ウラン弾によって癌発生率が11倍にもなっているイラクの現況を報告しました。
前回(1月)の口頭弁論で原告側は、国側が訴えの却下を主張するだけで具体的反論を一切していないことに対し、説明を求めましたが国側はこれを拒否。裁判長が認否や反論を行うよう求めるなどのことがありました。しかし、この日も国は、訴訟自体が不適法であるなどの、理屈にならない理由から認否を「必要ない」と拒否。のみならず「原告はいつまで裁判を続けるつもりなのか」と開き直るかのような発言に法廷内は一時、騒然となりました。これに対し弁護団は「(国は)あらゆる認否を拒否し、当然必要と思われる訴訟行為さえもしていない。その態度は独善的、傲慢」と厳しく追及しました。驚くべきことに国は裁判開始以来、一貫として派遣目的も、行動実態も明らかにしていません。
最後に弁護団が最近行った、ヨルダン・アンマンでのイラク調査報告の概要が報告され、この日の弁論は終了しました。次回の口頭弁論は6月22日(水)、15時から札幌地方裁判所8階法廷で開催されます。
この日も、道フォーラムは傍聴行動をとるとともに、これに先立って弁護士グループとともに地方裁判所に追加分の支援署名を提出しました。フォーラムがこの日提出した署名数は4,314筆(前回52,906筆提出)。この日で他の団体分を含め 64,165筆の署名が提出されました。署名活動は、なお引き続き続行されます。フォーラムとしても法廷が開かれる度に提出する予定です。