国際反戦デー全道集会に400名が参加。
掲載日:2005.10.26
「アジア・太平洋の仲間とともに米軍基地に反対しよう!」-10月24日、札幌市「自治労会館」で、「国際反戦デー全道集会」を開催しました。約400人が参加、通訳をはさんでの講演でしたが、参加者は熱心に耳を傾けていました。例年、道平和運動フォーラムは、10月21日に屋外集会・デモを取り組んできました。しかし、今年は中央で「国際反戦デー全国集会」が5千人規模で開催されたため、この全国集会に最大限結集することとし、海外ゲスト2人を北海道に招いて講演会形式で開催したものです。
冒頭、江本代表は「小泉政権は、ドイツでのファシズム台頭時の状況に酷似している。今ほど、反戦・平和のたたかいが大切なときはない」とあいさつ。続いて、2人から「米軍基地の状況と反基地闘争」とのテーマで講演を受けました。
フィリピンのローランド・シンブランさんは、「1889年~1991年まで、フィリピンの基地は、アジア・太平洋地域の戦略基地として位置づけられ、他国侵略の拠点となってきた。1991年に上院議員と市民の力で米軍基地の撤退を勝ち取った。しかし、多くの問題に直面している。一つはアスベスト・クロニウムなどによる環境(土壌)汚染問題。拠点であったスービック港では、子供たちが50人以上亡くなっており、100人以上が病に伏している。ガンの発生率も高い。二つ目の問題は、米軍との共同軍事演習の継続。沖縄に駐留する米海兵隊とともにミンダナオ島などで実施している。さらに、1999年に締結した訪問協定によって、米軍のあらゆる犯罪・環境破壊等に対して司法権が及ばないという問題もある。北海道の仲間に2つのメッセージを送りたい。米軍基地の撤去は可能であること。また、かつての軍事基地を商業都市に転換することも可能であることをスービックが示している。ブッシュ政権は反テロを口実に世界の多くの市民を殺している。他国侵略の拠点となっているのが、日本・韓国・グァム・オーストラリアの米軍基地である。平和に向けて連帯しよう」と訴えました。
一方、オーストラリアのデニス・ドーティーさんは、こう訴えました。「現在の保守党政権は親米的な政権。ハワード首相は米国の意向を受けて積極的な外交・軍事政策を実行している。ブッシュ政権の不法なアフガニスタンへの軍事攻撃を支援し、イラクへの侵攻と占領に陸上部隊・海軍を提供した。アメリカへの従属により、オーストラリアはより貧しくはなったが、決して安全にはなっていない。政府の軍事支出は1日6000オーストラリアドルで、GNPの2.1%を占めている。ハワード政権はアメリカの「ミサイル防衛」計画に参加。このミサイル防衛は、グローバリゼーションの軍事部門。アメリカは宇宙を軍事化し、支配することを計画。こうした情勢下、反基地運動を取り組んでいるが、①保守党と労働党とメディアの大多数が基地と米豪同盟を支持している、②基地までが遠距離であり、活動資金が不足する-という難問がある。しかし、オーストラリアがアメリカの軍事マシーンの歯車になることはない。別の道がある。米軍基地を閉鎖させ、ANZUS条約を廃棄すること。アメリカのミサイル迎撃システムに参加しないこと。軍事予算を大幅削減すること。アメリカは完璧ではない。巨大な平和勢力によって挑戦を受けている。近年の反戦行動はこれまでにない勢力をもたらしている。」と。