12.19「戦争をさせない北海道委員会」総がかり行動を実施しました
掲載日:2016.12.19
戦争をさせない北海道委員会は、12月19日18時から札幌市大通公園西4丁目広場にて「戦争をさせない北海道委員会」総がかり行動を実施しました。今年の最後となる行動には、厳寒・道路状況の劣悪な中、熱心な参加者が400人集まった。
なお、本行動については、12月13日午後9時半頃、オスプレイ1機が、墜落・大破したとの報を受け、3つのテーマにて開催した。一つ目は、戦争法廃止。二つ目は、辺野古新基地建設反対、そして3つ目はオスプレイ配備撤回。
主催者を代表し、北海道平和運動フォーラムの長田・代表は、「南スーダンPKOに派遣された自衛隊員に対し、駆け付け警護等の新任務が実際に運用開始された。南スーダンは内戦が続いており、自衛隊員の皆さんは殺し、殺されるリスクを背負うことになった。新任務付与の撤回、南スーダンからの即時撤退、戦争法の廃止を求め、粘り強く闘っていきたい。また、12月10日、辺野古アクションが悪天候の為中止となったことから、沖縄問題について触れたい。名護市辺野古沖に作られている基地は、普天間基地の代替と言いながら実際は軍港などを持つ、耐用年数が200年といわれる恒久基地。米軍北部訓練場の高江ではオスプレイが離発着できるオスプレイパッドの建設が強行されている。県民の民意を無視し、抗議する市民に対し暴力をもって排除するなど、断じて許されない私たちは沖縄県の民意に寄り添い、これ以上沖縄に基地はいらない!この声を北海道から大きく発信しよう。最後に、オスプレイ墜落事故について触れたい。名護市沖でオスプレイが墜落事故を起こした。別のオスプレイが普天間基地に胴体着陸するという重大事故も起こった。恐れていた事故がついに起こった。沖縄県民は背筋が凍るような思いを抱いている。プロペラがちぎれ、尾翼が折れ、胴体は大破、それでも米軍や日本政府は『不時着』だと言い張る。さらに米海兵隊トップのローレンス・ニコルソン氏は『住民にも住宅にも被害を与えなかったことは感謝されるべきだ』と県民を見下す暴言を言い放った。本日19日、こうした状況の中で飛行再開した。言語道断で、断じて容認できず、満身の怒りを持って抗議する。今後オスプレイの横田基地配備や自衛隊での導入、日米共同訓練で沖縄県外での運用、北海道にも来る可能性がある。全てのオスプレイの配備撤回を求める。沖縄基地問題は人権問題、国民主権の問題、平和主義の問題として捉え、全国の仲間と連帯してたたかっていこう」と挨拶した。
次に、飯島滋明・名古屋学院大学教授が、「12月9日、憲法学者101人が、南スーダン新任務付与に対する抗議声明を出した。事務局で取りまとめをしたが、僅か一週間で集まった。発端は、一人の教授が、自分の教え子を戦場に送りたくないと立ち上がった。ドイツの専門家として、ワイマールの二の舞になってはならないと考える。ワイマール憲法は裁判官もそうだが、学者も追随した。二度とワイマールのような、第二次世界大戦前のような日本を作ってはならない。戦争をするために国民が犠牲になるという世の中を作ってはならないというのが、多くの憲法学者の思いだろう。沖縄問題にも触れたい。夜23時にオスプレイが飛んでいる。睡眠妨害され、日中の学業、仕事に影響を及ぼしている。さらには今回の墜落。沖縄には平和的生存権が実現されていないと言える。オスプレイや新基地建設に反対する市民を警察が暴力をふるうと。北朝鮮を批判する資格など安倍自公政権にはないだろう。私たち法学者は、これを見逃してはならないと思う。みなさんは襟裳岬を埋め立て、基地を作ると言われたら、黙っていられるだろうか?沖縄県民はそういったことに耐えられないと闘っている。他人の話ではない、私たち日本人の話。共に力を合わせてがんばりましょう」と訴えた。
続いて北海道憲法共同センターの黒澤幸一・代表が、「オスプレイの事故に対し、何も言えない日本政府に対し怒りをもって抗議したい。どうして安倍首相は、あんな事態になっても「オスプレイ撤去」と一言言えないのだろうか。翁長知事も身体を張って繰り返し訴えているにも関わらず、そして、沖縄のおじぃ、おばぁが身体を張ってヘリパッドを作るなと抵抗を続けているのに、それに応えない安倍自公政権に対し、札幌から怒りの声をあげよう。沖縄の問題は、沖縄の基地の問題だけではない。北海道でも小樽港に毎年米艦船が入ってくる。オスプレイも航空ページェントに飛来した。苫小牧では戦車が公道を走行。北海道全体を軍事基地化していく訓練場所にしていくことが行われている。米国の属国となっている日本を自律した国にしていかねばならないと思う。そのためには戦争法を先ず廃止に追い込む。立憲主義を必ず取り戻す。それが私たちの声だ。オスプレイ撤去、戦争法廃止、誰も殺すな、誰にも殺されるな。この声を札幌からあげていこう」と訴えた。
続いて、小樽商科大学の結城洋一郎・名誉教授が、「安倍さんは、どのように批判されても、一向にこたえる様子も無く、まさにカエルの顔に水という状態。この蛮行を止めるには、私たちが彼らを権力の場から引き下ろさねばならない。他人の批判に貸す耳を持たなかったヒットラーや、日本の軍国主義者たちも、全てを破壊しつくすまで権力を手放さなかった。現在の日本は民主主義国家であり、国民は選挙という平和的な手段で彼らを更迭することが出来る。傲慢な人々が権力の座に居座り続けるならば、責任は国民自身にある。政府は、オスプレイについては、墜落を不時着水と言い、米国による拷問を過酷尋問と言い替え、子どもの首さえ切っても笑っているテロリスト達を穏健な政府勢力などと表現している。私たちはこのような情報に惑わされてはならない。自分の頭で考え、行動せねば。自分の意志と力で全国の人々と共に社会を変えていこう」と訴えた。
最後に、清末愛砂・室蘭工業大学大学院准教授は「オスプレイ墜落事故は、多数の人々を巻き込みかねない事故であったにもかかわらず、『住宅や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべきだ』と述べたと報道されている。駐沖縄米軍トップのローレンス・ニコルソン氏に強い怒りを感じておられる方々も多くおられるでしょう。巨大な権力を手にしている者たちがこのような発言をするということ事態が異常事態に思えるところですが、ここで私たちが理解すべき本質は、このような異常事態が一過性のものではなく、常に続いてきたことの異常性にあるのではないでしょうか。異常事態の継続が数多の生々しい暴力の累積につながっているのです。この異常性は、沖縄が植民地でなければもはや説明することなどできないでしょう。しかも、この植民地支配は、二重の支配構造から成り立っています。オスプレイ墜落事故において、断罪されるべき者は米軍・米国だけではありません。ニコルソン氏にこのような発言を許すような体制を作り、己の利益のためと称してそれを維持してきた者たちとそれを支えてきた者たちの責任が問われなければなりません。このような事故を引き起こす原因となっている日本という国家そのものの政治的思惑と植民地支配は、裁判所で法服を着て座っている者たちにも影響を与えています。辺野古の埋め立て承認取り消しをめぐる訴訟の高裁判決において沖縄県側が敗訴したという事実は、まさにそのことを物語っています。明日20日には、最高裁小法廷で判決が出ます。最高裁が弁論を開かないと判断した以上、このまま高裁判決を追認する判決が出されることが大いに予想されます。基本的人権の尊重と平和主義を謳う日本国憲法に縛られているはずの法服を着る者たちよ、明々白々な歴史的不正義の上に成り立つ現在の不正義を直視できないのであれば、もはや法服を着る資格はない。これ以上、植民地主義者であり続けるのか。それともその恥を知り、そうであることをやめようとするのか。この問いは今、裁判官だけでなく、私を含む日本人全体に強く問われているのものではないでしょうか。沈黙はさらなる不正義を生む。声をあげよう。大きな声をあげよう。これ以上、抑圧者であることをやめるために」と訴えた。
なお、この日は、路面状況が劣悪で、転倒事故等が危ぶまれたため、参加者の安全を考えてデモパレードは中止し、行動を終えた。