5.23「戦争をさせない北海道講演会」に700名が参加。


掲載日:2015.05.23

5月23日に開催しました「戦争をさせない北海道講演会」は700名が参加。会場は満席となりました。講演は「新ガイドラインと安保法制で日本はどう変わるか-迷走日本と集団的自衛権」と題して、元内閣官房副長官補 柳澤協二さんが安倍政権が行おうとしている集団的自衛権の問題、安保法制の問題点について指摘。さらに「安倍政権の巧みな世論操作に絶対にだまされないよう、ひとりひとりが常識をもって考えていかなければならない」と呼びかけるとともに、憲法改正は絶対に阻止しなければならないと強く訴えました。講演終了後はすすきの交差点付近までデモパレードを行い「集団的自衛権に反対!」「戦争法案の撤回!」のシュプレヒコールを行い市民にアピール行動を行いました。
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開会あいさつ「戦争をさせない北海道委員会」呼びかけ人
小樽商科大学名誉教授 結城洋一郎 さん

「第2次安倍政権発足以来、憲法無視し続け、立憲主義を否定している。『平和安全法制整備法案』『国際平和支援法案』は今後米国をはじめとする同盟国が行う戦争への参加であるため、このような暴挙を絶対に見過ごすわけにはいかない。こうした状況の下、講演を引き受けていただいた柳澤さん、そして参加されている皆さんに重ねてお礼申し上げる」とあいさつしました。

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「新ガイドラインと安保法制で日本はどう変わるか-迷走日本と集団的自衛権」と題して
講演を行った元内閣官房副長官補 柳澤協二さん
以下まとめです。

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新ガイドラインは日米同盟の強化以上で「米国軍事戦略との一体化」
「新ガイドラインによって、これまでの日本の安全保障政策の基本である「専守防衛」を大きく転換させたものである。したがって憲法との矛盾がある。また日米同盟の強化と言っているが実際には、米軍の軍事戦略との一体化であり、それ以上のものである」

自衛隊がアメリカの戦争に巻き込まれる
「安倍首相は『自衛隊がアメリカの戦争に巻き込まれることは絶対ない』と言っているが、私は『絶対にある』と言いたい。なぜなら自衛隊が米軍艦船の同盟国の後方支援を行うことは、現場の判断にゆだねられる。過去をみても現場判断で戦争が始まっている。たとえば南シナ海で米中海軍が衝突したら、必ず日本は巻き込まれる。だから安倍首相の発言は『戦争を知らない人』の発言である。」

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イラクの人道支援は「すでに限界だった」  
「小泉政権時代にイラク派遣が行われた際、自衛隊員はケガもしなかったが『銃弾を一発も打たなかった』。しかし非戦闘地域でも、ロケット弾などが撃ち込まれ危険と隣り合わせである。その証拠にイラクから帰還し、PTSDなどの障害を抱え自衛隊員が自殺している。その自殺率は18倍で国内の自殺率と比較しても極めて高い。集団的自衛権が容認されれば、確実に自殺者が増加する。」

安倍首相にとって集団的自衛権は「自己実現」
「安倍首相の考え方については、心理学的な分析が必要。祖父の岸信介の意思でもある『アメリカへ従属してはいけない』また『中国に負けてはいけない』という『対米対中コンプレックス』を受け継いでいる。こうしたことから歪んだ「大国意識」があると考える。だから集団的自衛権も国民に対しキチンとした説明できない。安倍首相にとって集団的自衛権容認は自己実現であると考える。」

 

閉会あいさつ 「戦争をさせない北海道委員会」呼びかけ人
北星学園大学教授 岩本一郎 さん

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柳澤さんは何度も「常識的に考えなければならない」と話している。ここにいるみなさんは、すでに常識は共有しているが、首相官邸は別であるのではないか。人間は合理的に考えて行動するが、戦争と愛国心に合理的な損得勘定はない、知性と理性を吹き飛ばしてしまう。戦争の特徴は国民の財産を破壊し、貧困に追い込んでいまい、勝ち負けなど全く関係ない。「引くに引けない状況」になってしまうということである。こうした戦争の反省や英知の結晶から憲法9条は成り立っている。このことを私たちはあらためて確認しなければならないと呼びかけました。

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