「戦争の実態をきちんと伝えることが大事」綿井健陽さん講演会に190名が参加


掲載日:2015.02.28

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2月28日午後1時30分よりジャーナリストの綿井健陽(わたい たけはる)さんを迎え「日本人人質件とイラク戦争」と題して講演会を行いました。開催にあたり北海道平和運動フォーラム長田事務局長より「イラク戦争から3月20日で12年になる。米軍は完全撤退したが、今もなおイラク国内は宗派抗争、爆弾テロ、武装組織による襲撃が続いている。また、過激派組織イスラム国が勢力を拡大し、米軍によるイラク空爆も再び行われている。さらに、今年1月に発生した、日本人人質事件は最悪の結末を迎えてしまった。安倍政権は積極的平和主義の名のもとに、集団的自衛権の行使に道を開き、国際紛争への日本の軍事的関与を強めようとしている。今日の綿井さんの話を通して5月以降に国会の戦争関連法案を阻止しなければならないという気持ちをこの会場でひとつにしたい。」とあいさつしました。

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イラク戦争から人質事件が多発。

綿井さんからは「中東諸国のみならず世界中のジャーナリストが武装グループにより襲撃を受け、殺害されている事件が多発している状況。ジャーナリストは中東に限らず世界で起きている紛争がどのように起きているのか伝えているが、特にフリージャーナリストは紛争だけでなく、人々の日常生活を追い続けている。しかし日本人に対し友好的であった中東諸国の人々は、日本がイラク戦争を支持したことで、開戦後カメラを向けるだけで警戒心を強めるようになった」と指摘。

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「政府に迷惑をかけるな」
またジャーナリストを取り巻く状況について過激派組織イスラム国による日本人殺害事件で、フリージャーナリストのパスポートの返納問題に触れ。「ネット上でも返納は当然で、政府に迷惑をかけるな的な批判がある。また最近、なぜ、そんなとこに行くのか?と聞かれるが、戦闘の場面だけでなく、戦争で傷ついた人たちを写真や映像で証明するのがジャーナリストである。しかし日本ではなかなか理解が得られない状況である。」

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ジャーナリストの姿について
「イラク戦争で多くの人が亡くなり、同じようにジャーナリストも命を落としているが、「(紛争国に)行かない、取材しない」という選択肢はないと考える。また現在の過激派組織が残虐な映像を流すことで、国際社会での対立を招くアクセルとなっていることが問題。そのことを考えるとキチンと戦争の実態を伝えることがジャーナリストとして大事である」

最後に安保破棄北海道実行委員会黒澤代表より「イラク戦争をしっかりと教訓とし、一人ひとりが声を上げて連帯したい」と訴え講演を終了しました。