報告 「やめるべ、大間原発!11.3北海道集会」に1400名が結集!


掲載日:2012.11.05


11月3日(土)、函館市千代台公園で「やめるべ、大間原発!11.3北海道集会」を開催し、全道各地から約1400名が参加しました。


「さようなら原発1000万人アクション北海道」の「呼びかけ人」である小野有五さんは、「ドイツは3.11後に脱原発を決めた。原発は単に技術の問題ではなく倫理の問題であることが世界の常識である。3.11で世界は変わったが日本だけが変わっていない。泊・大間原発周辺には海底活断層がある。日本が脱原発の方向を決めたにもかかわらず大間の建設を許してしまう、まさに倫理の問題であり許してはいけない。北海道・函館から日本の歴史を変えよう」と訴えました。


主催者あいさつで、北海道平和運動フォーラムの中村誠吾代表は、「大間原発は、その周辺や敷地内に複数の活断層が存在する可能性が専門家から指摘されている。また、世界に例のないプルトニウムをフルMOX燃料として使うことにより、通常の原発よりはるかに安全余裕を縮める危険な原発だ。使用済みMOX燃料の行方が決まらないまま進められる建設工事再開は、まさに見切り発車であり強く抗議する。対岸でわずか23㎞しか離れていない函館と道南は、多くの住民が生活し産業活動が営まれている。函館市長や北海道知事、青森県知事の決断で函館市の、北海道の、日本のすべての市民の命を守って欲しい。今、圧倒的多くの市民が原子力からの撤退を求めている。フクシマの惨劇を、再び北の大地で繰り返してはならない。原子力政策の根本的転換を求めるとともに、大間原発の建設中止を強く求めていく」と訴えしました。

地元を代表して、道南地域フォーラムの相澤弘司代表は、「福島原発事故から1年半が過ぎた。いまだに16万人以上の福島の方が故郷に戻れずに避難をしたままだ。こうした中、電源開発は大間原発の建設工事を再開したが、こんなことがあっていいのか。政府は、核燃料サイクルを確立するためには大間原発は必要だと言っているが嘘だ。六ケ所の再処理工場は故障続きで稼働のめどは立っていない。もんじゅは計画そのものが夢に終わろうとしている。福島原発の建屋には使用済み核燃料がプールに放置したままだ。地震が起きたら今回の事故以上に放射能物質が日本中にばらまかれる状況だ。これ以上使用済み核燃料を増やしてはならない。電力会社は、『夢のエネルギー、安全でクリーンで安いエネルギー』と説明していた。一度事故が起きれば、故郷は二度と帰ることのできない汚染地帯になり、住む人々の夢はすべて失われる。補償や廃炉にかかる莫大な費用を考えればこんなにコストにかかる発電はない。もう騙されてはならない。みんな力で大間原発の建設を阻止しよう」と挨拶しました。

来賓として挨拶に立った、逢坂誠二衆議院議員は、「結論は一つだ。大間を稼働させてはならない。大間の建設を継続させてはならない。昨年の3.11から2年もたたない中、私たちの社会の中に事故のことが記憶の外へ押しやられつつある雰囲気がある。恐ろしいのは忘却だ。今もなお続く悲惨な事故を忘れるのではなく、あの惨状を心に刻み、『原発ゼロ』に向けて粘り強く取り組むことが大切だ。大間原発をとめることを真正面から頑張る」と決意を述べました。

道南地区農民連盟の佐々木委員長は、「3.11原発事故は、食の現場で生産する者として、福島の農民の想いを考えると残念でならない。我々は土地・太陽・水の自然を享受し、安心・安全なおいしい農産物を生産し、おいしいと言われるのが心の支え。その基本となる土地・住居が一瞬にしてなくなった。そのような危険性のある原発をゼロにもっていかなければならない」と訴えました。

その後、「道南地域平和運動フォーラムの扇谷正明副代表」は、昨年の10.29北海道集会、3.11函館集会、9月の大間原発視察などのとりくみを紹介し、「子どもたちの未来に負の遺産を残さないため、大間原発建設中止の声を道民に大きく広げる運動を展開していく」と決意を述べました。「大間原発訴訟の会の竹田とし子代表」は、「毎週金曜日には函館市役所前『バイバイ大間原発函館ウォーク』を行っている。市民は大間原発を止めることを求めている。私たち市民の力で工事再開を止めよう」と訴えました。また、「青森県平和推進労働組合会議の江良實議長」は、「大間町長・経産相・電源開発に工事中止の申し入れを行った。地元で反対の声を上げられない状況もあるが、北海道と力を合わせて何としても大間を止めていく」と、それぞれ地域からの報告がありました。

最後に、「大間原発は人の命を揺るがす危険な原発。絶対に建設を再開、完成させるわけにはいかない」との集会アピールを採択し、その後、参加者は、函館市内を「大間原発の建設をやめさせよう!」「泊原発の再稼働を止めよう!」と声を上げデモ行進を行いました。
北海道平和運動フォーラム、道南地域平和運動フォーラム、「脱原発・クリーンエネルギー」市民の会の主催。