4団体共同声明「被爆80年、そして明日へ ~ヒロシマ・ナガサキを繰りかえすまい 核兵器も戦争もない世界を、ともに~」
掲載日:2025.12.09
1945年8月6日広島に、3日後の9日長崎に、アメリカは人類史上初めて原子爆弾を投下しました。一瞬にして膨大な市民の命が奪われ、生活、文化、環境のすべてが破壊されつくしました。かろうじて生きのびた被爆者には今もなお様々な苦しみを与え続けています。非人道兵器である核兵器の使用は、当時も今も、明確に国際法違反です。12月8日、太平洋戦争が始まった84年目のこの日に、私たちは改めて核兵器も戦争もない世界をつくることの大切さを心に刻みます。
昨年12月、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞しました。被爆者は、自らの身を削って凄惨な被爆の実相を世界各地で訴え続け、「核のタブー」を確立し、80年近く核兵器の使用を阻む大きな力になってきたと評価されたのです。しかし、その「核のタブー」はいまきわめて危うい状況にさらされています。
核兵器の使用で威嚇するロシアのウクライナ侵攻、「停戦」とはいえ引き続くパレスチナ・ガザ地区へのイスラエルのジェノサイド、イスラエルとアメリカによるイランの核関連施設への先制攻撃、ロシア・アメリカによる核開発の競い合い、その周辺で進む中国の核弾頭保有の強化、北朝鮮の核開発等々。核抑止論は核兵器によって戦争を抑止すると言いますが本当でしょうか。再び核兵器が使われる危険性はむしろ高まっているのではないでしょうか。
「一生のうちに二度迄言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害」から将来の世代を救おうと謳って(国連憲章前文)戦後の国際秩序は作られてきました。平和憲法を掲げる日本もその中のひとつです。確かに今日までいくつもの戦争と地域紛争が繰り返されてきましたが、国際社会の中心国が、核兵器をめぐる国際条約を破棄・離脱し、核兵器使用をちらつかせ、核兵器開発を進める今日の事態ほど危機的な状況はありませんでした。
しかし、2017年、122か国の賛成で成立した核兵器禁止条約は2021年1月22日に発効し、現在国連加盟199か国の半数を超える99か国が参加するまでになりました(署名・批准・加盟国、9月26日現在)。核兵器禁止条約は、核兵器の使用は勿論、核兵器の開発、保有、移転、そして核兵器による威嚇も禁止しています。唯一の戦争被爆国日本が署名も批准もしていないのはきわめて不可解といわざるをえません。
ヒバクシャ国際署名を進める北海道民の会(2017~21)の事務局を担ってきた私たちは、いま改めて日本政府に対し、核兵器禁止条約への参加を強く要請します。日本政府は非核三原則を堅持し、核兵器に対して毅然たる態度をとるべきです。
ヒバクシャ国際署名は当時北海道で705,514名、全国で13,702,345名が賛同し、核兵器禁止条約の発効に大きな力を発揮しました。現在日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める意見書決議は76議会にのぼります(全国では731議会、いずれも9月末)。私たちは引き続き、地域や職場で、道民の皆様とともに、核兵器も戦争もない世界をめざして声を上げ続けます。
2025年12月8日
一般社団法人北海道被爆者連絡センター(前北海道被爆者協会)
北海道生活共同組合連合会
北海道平和運動フォーラム
原水爆禁止北海道協議会
