平和憲法と教育の自由を守る全道集会


掲載日:2025.02.10

平和憲法と教育の自由を守る全道集会

 昨年、沖縄に駐留する米兵による性的暴行事件が半年間政府や外務省により隠ぺいされていたことが発覚しました。沖縄女性史研究家である宮城晴美さんの実態調査によると、沖縄では1945年から2021年までに県内で約千件の性犯罪事件が発生しています。また、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるガザ地区攻撃など、戦地でのレイプ等暴行も横行しています。「戦争は最大の人権侵害」ですが、その中でも女性、子どもは弱い立場に追いやられています。このような人権侵害は、戦争のような非常時にかかわらず日常的にも発生しており、女性や子どもへの性的暴行・搾取は頻発しています。

 男女平等にかかわる人権意識は、学校や家庭、社会の中で学ぶべきですが、日本では不十分な実態があります。これは、平和憲法の危機としてとらえなければならない問題です。憲法24条は、婚姻や家族をめぐる男女平等を謳ったものであり、これは、幼少期を日本で過ごしたベアテ・シロタ・ゴードンさんの草案によるもので、家制度的慣習に対する強い懸念ゆえに書かれたものです。彼女は、2000年に参議院憲法調査会に参考人として出席し、女性の声を聴くことの大切さを訴えました。平和と男女同権を守る条項の修正や削除を心配されていました。

 これまで学校や家庭で教えられてきた固定的な「性別役割分業」「男女のありよう(らしさ)」から解放されなければ、人々に固定的な生き方を強いることにつながり人権が保障されません。そして、家父長制や差別の温存につながります。具体的事例として、女性が性的暴行を受けた際に「被害にあう方にも何らかの落ち度があったのではないか」という視点が必ず語られることがあります。

 「平和憲法と教育の自由を守る全道集会」は、共生や人権に関する研究を行っている池田賢市さん(中央大学教授)に、最新の著書「包括的性教育をはじめる前に読む本―社会を変える性教育―」をもとにした講演を行っていただきます。「性」を「生」の根幹と位置づけた上で「性」の問題を人権の問題として把握する「包括的性教育」を学校で行っていく重要性や実施を阻む「壁」などについてお話いただきます。

日時 2025年3月8日(土)13:30~15:30 
会場 北海道教育会館 中央区南4条西12丁目(旧会館の南側)
   (開場13:00)