平和憲法を守ろう!戦後60年の憲法記念日集会を開く-危機感の中、会場を650名が埋め尽くす-
掲載日:2006.05.09
5月3日は日本国憲法施行58周年の記念日にあたります。非武装平和主義・基本的人権の尊重、主権在民を原則とする憲法の理念は、2度にわたる世界大戦の悲惨な体験から、恒久平和の願いとともに国民合意のもと制定されました。
日本が今日まで他国と戦火を交えることなく歩んでこられたのは、この憲法によるものであったことは誰もが否定できません。しかし、ここ数年成立した「周辺事態法」「テロ特措法」「有事法制」「イラク特措法」などは明確に平和憲法に反して武力行使、集団的自衛権の行使に道を開くものとなっています。このような現実は否応なしに、今日、明文改憲への大きな流れとなっています。
3日、午前10時から札幌かでる2・7大ホールで北海道平和運動フォーラムが呼びかけ結成した実行委員会(26団体)の主催で、「53憲法を守る北海道集会」が開催されました。「日本の憲法は押しつけではなく国民の総意でつくられたもの。戦争に直結する憲法改悪に全力で反対を」との江本秀春道フォーラム代表の主催者挨拶の後、来賓として上田文雄札幌市長が挨拶「第9条は世界に誇るべき平和の象徴。戦前に回帰させてはならない」と訴えました。
次いで二つの記念講演が行われました。最初は「イラクが問いかけるもの」のテーマで天木直人さん(元レバノン大使)、つづいて「いま、平和憲法を考える」のテーマで北沢洋子さん(国際評論家・前日本平和学会会長)が講演しました。小泉首相のイラク攻撃支持の政策に抗議して大使を辞した天木さんは、イラク戦争での日本外交は米国追従とし「その延長線で憲法が脅威にさらされている。戦後60年の平和への努力の成果を消滅させてはならない」と強調しました。憲法をめぐる危機感を反映し、この集会には会場に入りきれない650名が参加、平和憲法を守りぬく決意をみなぎる大きな集会となりました。
今日の憲法「改定」の狙いと本質が「戦争を遂行する国家」づくりにあることは明白です。戦後60年を迎えて、私たちは平和憲法を守ることはもとより、あらためてこの憲法が掲げる理念を実現するための運動を強力に前進させなくてはなりません。