ロシア軍の即時撤退を求める抗議街宣に400人が結集
掲載日:2022.03.19
戦争をさせない北海道委員会は、3月19日、札幌国際ビル前にて「戦争をさせない北海道委員会」総がかり行動を実施し、約400人が参加した。
主催者を代表し、北海道平和運動フォーラムの佐藤環樹代表は、ウクライナで無念の最後を迎えた罪なき人たちのご冥福を祈り、「私はウクライナの方々から「争う前に解決を」というメッセージを受け取ったと思う。命を失う前の行動に全力を尽くしてほしいと。ウクライナから学ぶのは、迎え撃つ武力を補強・増強するのではなく、戦争をさせないために、私たちの世論形成や国家間の議論、外交に全力をあげることではないか」と述べるとともに、憲法改正国民投票法の問題点にも触れ、「憲法を改悪させないため、私たちは憲法改正の影響を広く世論に訴え、国民投票そのものを行わせないように取り組まなければならない」と訴えた。
室蘭工業大学大学院教授の清末愛砂さんは、「ウクライナの人々の苦しみがあるにもかかわらず、それを利用し、憲法9条の改憲を求める政治家やその支持者がいる。ウクライナ情勢に便乗し、改憲や核保有を求めたり、台湾有事を強調して軍事同盟の強化を訴えている」ことに強く抗議するとともに、タリバンが再支配したアフガニスタン情勢に触れ、「アフガニスタンでは、かつてないほど厳しい人道危機が生じている。食料だけでなく、必要な医薬品も大幅に不足している。わたくしたちは、ウクライナ人のことを思うとき、はたしてアフガン人のことを想起するか。一体どれくらいの人々が同じく、いや、それ以上の攻撃を受け続けてきたともいえるシリアやガザの光景を思い浮かべるか。わたくしたちに圧倒的に欠けているのは、涙や怒りの中にある平等性でないか」と指摘した。
北星学園大学教授の岩本一郎さんからは、「私たちは第二次世界大戦後、軍事同盟ではなく、国連を中心とした集団安全保障の道を選んだはず。今こそ、私たちはそこに立ち返らなければならない。大国が集団的自衛権を口実に戦争を始めるのを何度も見てきた。危険極まりない集団的自衛権なる観念は、軍事同盟とともに捨て去らなければならない。核抑止という戦略は、核のボタンに手をかけたとき、核抑止はもろくも崩壊する。核抑止などという幻想から目を覚まさなければならない。憲法9条の理念のもと、ウクライナに対して、武力によらない人道的支援を粘り強く続けていくことが大切であり、ウクライナだけでなく、ロシアにおいても、勇気をもって反戦を訴え、民主的な抵抗を続けている市民を私たちは支えていかなければならない」と呼びかけた。
北海道高等学校教職員組合の更科ひかりさんからは、安保法が成立された2015年の経験が語られ、「私一人にできることはないと思っていたが、黙っていられないという思いに背中を押されてデモ行進に参加した。知らない人たちと一緒に歩き、同じ思いを持っている人がこんなにいると心強く感じた。今、ロシアでは反対の声を上げると通報され逮捕される。それでも街に出て戦争反対と声を上げる人は後を絶たない。私はロシアで声を上げ続ける人たちに連帯の意を表明せずにはいられない。皆さんも私と同じように、黙っていられないという思いでここに集まったのではないか。ただの一人である私たちにできるのは、街に出て戦争反対と声に出すこと。一緒に声をあげよう」と鼓舞した。
元札幌市長の上田文雄さんからは「私たちはいったい何度、テレビやメディアで子どもたちの叫びを、心細く一人で路上を彷徨う姿を、子どもの亡骸を、それが戦争なんだということを、なぜ今確認しなければならないのか。戦争を止めることができるのは市民である。その市民に暴挙が行われている。武力というものがいかに残酷なものか、残忍なものか。原発を攻める、占拠する、やってはならない禁じ手を今、核兵器を使わない核戦争、人類に対する挑戦をやっていると思っている。原発の状況を見て泊のことを想像したか。戦争になれば核兵器を使わなくても通常の爆弾で福島第一原発と同じ状況が生まれる。戦争を止めたり原発を止めたりできるのは市民であり、確信をもって連帯を深めていこう、広めていこう」と訴え、総がかり行動を終えた。