報告 「憲法を私たちの手に!憲法施行64周年北海道集会」を開催しました


掲載日:2011.05.10


5月2日、「憲法を私たちの手に!憲法施行64周年北海道集会」が札幌市自治労会館で開催し、約300名が参加しました。
主催者代表挨拶で、北海道平和運動フォーラムの江本秀春代表は「憲法施行から64年を迎えた。改憲手続法が制定され、間違いなく9条を含めた憲法改悪の問題が出てくる。憲法九条の持つ意義を広く世論に訴えかけていく運動を構築しなければならない」と述べました。


また、来賓挨拶で上田文雄札幌市長は「憲法は国の基本法、国民の人権を国家権力から守るものである。戦争はもっとも国民の人権を侵害するという意味合いにおいて、歴史を踏まえ9条は国の交戦権、戦争を永久に放棄するという条項を盛り込んだ。憲法を守りぬくことが人を大事にすることにつながる」と話しました。また、福島原発事故について、「原発問題には30数年来とりくんできたが、この政策がいかに人を大事にしないか明らかになった。人を大事にすることに想定外や神話があってはならない」と述べました。

その後、C・ダグラス・ラミスさん(政治学者)が「沖縄と憲法9条」と題して講演しました。ラミスさんは沖縄米軍基地のイメージを「100人の小学校」にたとえ、「75個のランドセルを一番小さい子どもが背負い、残り25個を99人が交代で背負うとする。その1人が『自分でランドセルをもってはどうか?』と言う。99人は『ランドセルをなくす運動をやっている。それが実現するまで待ちなさい』という。しかし、1人は『あまり熱心にランドセルをなくす運動はやっていない』と感じている」と話した。その75個のランドセルは沖縄の米軍基地のことで、沖縄06%の領土(1人)に日本の米軍基地の75%を背負わせているため、ランドセルの重みを感じないからである。このように、本土で日米安保条約がほとんど無視されている現状を訴えました。

また、憲法9条と米軍基地(日米安保)の双方を肯定している現状について「日本『復帰』以前、沖縄の車のナンバープレートには、Keystone of Pacific(太平洋の要石)と書いてあった。これは冷戦時代は軍事戦略としての地理的な意味があった。しかし、今は政治的な「要石」になっている。右のアーチを造る時、左側に石を積んで右側にも石を積んでいく。本来なら落ちてしまうが「要石」を真中に入れると固まる。日本の多くの人は憲法9条は欲しいが、米軍が近くにいないと不安という矛盾した意識がある。この2つの考え方を沖縄という〝要石〟を中に入れると落ちない」と指摘しました。さらに、基地問題はまずアメリカの問題として上で、「日本にある基地問題と沖縄問題というのはよくない。日本の問題、日米安保の問題である。日米安保を1年でなくせるならこしたことはない。できそうにないなら、沖縄の基地を引き受けることを真剣に考えるべき」と述べ、日本で反安保運動がほとんど実現できていない現状を厳しく指摘しました。

最後に、「『非武装平和主義』『基本的人権の尊重』『国民主権』を三大原則とする日本国憲法は、日本によるアジア・太平洋戦争における植民地支配と侵略戦争に対する反省から、恒久平和の強い願いを込めて制定されたもの。『新防衛計画の大綱』や『在日米軍普天間基地移設問題』、憲法審査会の始動など『戦争をする国づくり』をすすめようとする動きや『3.11日東日本大震災』による『非常事態』『危機管理』『超法規』を名目に憲法理念を逸脱・変更する動きに十分注意しなければならない。平和を守り、憲法改悪反対・憲法の理念を生かす広範な運動を展開していく」との集会アピールを参加者全員で確認しました。