北海道への核持ち込みは許さない!11.23幌延デー北海道集会中止にあたってのメッセージ
掲載日:2020.11.23
1984年、旧動力炉・核燃料開発事業団は、「核のごみ」の貯蔵と処分研究を一体的にすすめる「貯蔵工学センター計画」を公表し、翌85年11月23日には抜き打ちの「現地踏査」が強行された。以降、11月23日は「北海道への核持ち込みは許さない!11.23幌延デー北海道集会」を開催し、今年で35回目という大きな節目を迎えた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、参加者の健康と安全や道内各地への感染拡大防止のため、今年は集会を中止するという苦渋の決断を下した。とりわけ、開催地である幌延町への感染拡大や風評被害も考慮し、集会を中止する運びとなったが、私たちは旧動燃とはちがって「強行」実施はしない。
さて、寿都町と神恵内村では、高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に向けた「文献調査」に応じることをそれぞれ表明した。住民に対しては十分な判断材料と議論時間を与えず、北海道の核抜き条例に対しては「条例は拘束力がなく、実効性がない」として応募に踏み切る姿勢は、不安を抱える住民や条例制定時の道民の思いを踏みにじるものであり、断じて許されるものではない。
幌延町では、日本原子力研究開発機構・幌延深地層研究センターが「研究期間20年程度」「終了後は施設を解体し、埋め戻す」という約束を反故にして、2028年度末までの研究期間の延長を表明した。また、新計画案には500m掘削案も盛り込まれ、延長早々にして研究期間の再延長が危惧されている。さらに、寿都町・神恵内村が文献調査の応募に踏み切ったとはいえ、幌延深地層研究計画が続く限り「幌延が最終処分地になるのではないか」という疑いは晴れない。
旧動燃・原子力機構はこれまでも欺瞞に満ちた説明を繰り返し、再三にわたる嘘と隠ぺいに憤りを抱かずにはいられない。私たちは、深地層研究計画延長の撤回、約束どおりの研究期間の終了、施設の解体・埋め戻しを強く求める!
2017年に公表された「科学的特性マップ」では、道内86市町村が最適地とされた。以降、道内では20自治体が高レベル放射性廃棄物の最終処分場を拒否する決議案や意見書を採択し、科学的特性マップ公表以前を含めると道内33自治体で採択されている。また、浦河町や美瑛町では「放射性物質等を持ち込ませない条例」が可決され、北海道の「受け入れ難い」とする核抜き条例から踏み込み、放射性物質等の処分、保管及び研究等に関する調査や施設の建設を受け入れない条例を制定した。このように道内すべての自治体において高レベル放射性廃棄物最終処分場の受け入れを拒否するたたかいを強めていかなければならない。そして、脱原発社会の実現をめざし、泊原発をはじめ全国の原発再稼働を許さず、すべての原発の廃炉、大間原発の建設中止、六ヶ所再処理工場の閉鎖、破綻した核燃料サイクルの即時中止、北海道に核のゴミを持ち込ませない運動を、全道・全国の仲間とともに粘り強くたたかっていこう!
以上、35回目を迎えた11.23幌延デー北海道集会中止にあたってのメッセージとする。
2020年11月23日
北海道平和運動フォーラム