「陸上自衛隊V-22オスプレイの飛来」に対する抗議声明


掲載日:2024.08.22

 

  「陸上自衛隊V-22オスプレイの飛来」に対する抗議声明

 防衛省北海道防衛局は8月9日、「部隊等の視察に伴う人員輸送並びに離発着訓練を実施するため、8月21日から23日まで、陸上自衛隊V-22オスプレイが道内に飛来する」予定を発表した。陸上自衛隊Ⅴ-22オスプレイの運
用に当たっては、飛行の安全確保が最優先であり、安全確保に万全を尽くしながら、段階的に飛行のプロセスを進めているところと発表している。
 
 米空軍は今月2日、鹿児島県の屋久島沖で昨年11 月、垂直離着陸輸送機CV22 オスプレイが墜落し、乗員8人全員が死亡した事故で、事故調査報告書を公表した。機体左側にある変速機「プロップローター・ギアボックス」の内部で
歯車が破断し、その破片で別の歯車がすり減ってローターに動力が伝わらない状態になったというのが墜落の原因であるとしている。さらに、変速機の不具合を示す警報が数回出ていたにもかかわらず、飛行を続けた操縦士の判断にも
問題があったと指摘している。ギアボックス内の歯車破断と操縦士の判断ミスという2点を原因とした墜落事故だと報告書は結論付けているが、より深刻な問題は歯車破断だ。

 さらに、2022年6月に米カリフォルニア州南部で発生し、5人が亡くなったMV22 の墜落事故について米海兵隊がまとめた調査報告書は、ギアボックス内にあるクラッチの作動不良による「壊滅的かつ予期せぬ機械的故障」だと
結論付けている。

 このような、致命的な欠陥をかかえる「オスプレイ」は、飛行時間が長くなれば長くなるほど事故が起こるリスクが高くなり、飛行させるだけで市民や自衛隊員が事故に巻き込まれる恐れが生じる。

 林芳正官房長官は2日の会見で「事故原因に対応した各種の安全対策を講じることで、同様の事故を予防することは可能だ」と述べたが、構造的な欠陥が何ら解決されず、オスプレイの飛行を容認する日本政府は認識が甘すぎる。

 北海道平和運動フォーラムは、市民の命を守るため、さまざまな欠陥をかかえる「オスプレイ」の飛行をただちに中止することを求める。

2024年8月21日
北海道平和運動フォーラム