平和フォーラム声明 米軍機オスプレイの超低空飛行訓練を許さない
掲載日:2022.09.30
10月1日から始まる日米共同訓練に向けて米海兵隊普天間飛行場所属のMV22オスプレイが北海道に上陸しました。今後は矢臼別演習場のほか、上富良野演習場、然別演習場などへの展開と米空軍横田基地所属のCV22オスプレイの参加も予定されています。
日米両政府は9月26日に開催した日米合同委員会で、MV22オスプレイが低空飛行訓練をする際の最低高度を、約150m以上から約90m以上に下げることで合意しました。
低空飛行の実施によって事故リスクが高まることが懸念されるなか、平和フォーラムは米軍機オスプレイの超低空飛行訓練を許さない声明を発出しました。
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防衛省は9月26日、同日に開催された日米合同委員会で、沖縄・普天間基地に配備されている米海兵隊オスプレイ(MV22)が、沖縄を除く日本国内で低空飛行訓練を行うことで合意したと発表した。合意概要によれば、住宅地を避けた区域において、高度300フィート以上500フィート未満(約90~150メートル)の超低空で訓練を行い、その目的を、人員・物資の輸送、災害発生時における捜索・救難活動を行うためだとしている。
米軍機オスプレイについては、直近でも2022年3月にノルウェーで、6月には米国内で墜落し、米兵複数名が死亡する事故を起こしている。日本国内においても、2016年12月、沖縄県名護市の海岸に墜落して以降、19件もの予防着陸という名の緊急着陸を全国各地で繰り返しているほか、飛行訓練中の部品落下などの事故が頻発している。
2022年8月には、米空軍オスプレイ(CV22)が、クラッチに不具合があるとして全機飛行停止になった。その際米軍当局は、海兵隊オスプレイ(MV22)について、「(2012年普天間配備以前の)2010年にクラッチの不具合を認識していたが、操縦者の訓練で問題が発展することを防いでいる」と報道機関の質問に答えている。機体の欠陥をパイロットの操縦に依存することで運用を継続している事実がこれで明らかになった。
欠陥機の飛行は断じて許されない。それも今回の日米合意で示されたのは、150メートル未満の超低空飛行だ。
日米両政府は、住宅や学校、病院の上空では飛行しないなどの安全対策を徹底するとしているが、これまでもそうであったように遵守される保証はない。2012年9月、MV22オスプレイの普天間配備に際して日米で合意した事項には、飛行訓練時間、飛行経路などの取り決めがあるものの、普天間基地周辺におけるこれまでの飛行実態をみれば、いかに米軍が約束を反故にし、我が物顔で飛行運用を繰り返してきたかがよくわかる。ちなみに当時の合意では、「低空飛行訓練を実施する際は、地上から500フィート以上の高度で飛行する」としている。今回の超低空飛行訓練は、2012年の普天間基地に配備した際の取り決めをも覆すものだ。日本政府はどこまで米軍の求めに応じ、追従するのだろうか。飛行ルート下の住民のくらしと命を守ろうという姿勢が全く感じられない。
10月1日から北海道で大規模な日米共同訓練がある。海兵隊オスプレイ6機の参加が予定されている。オスプレイは沖縄・普天間基地を飛び立ち、日本全国で超低空飛行訓練をしながら北海道に赴くと思われる。
平和フォーラムは、オスプレイの超低空飛行訓練に断固抗議する。そして米軍機の飛行制限をはじめ日米地位協定の抜本的な改定を求めるためのとりくみを強化していく。
2022年9月29日
フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)