倉本 聰(脚本家・劇作家・演出家)
さようなら原発

68年前僕たちは、爆撃の音に怖えながら電灯を消して震えていました。
67年前戦争が終り、やっと電気が回復したものの、一日限られた通電の時間、それでもその光がうれしく待ち遠しく、幸せとはこんなにぜいたくなものなのかと、それを噛みしめて生きていました。まちがいなくそれは倖せの時でした。太陽の明るさと暖かさが僕らを充分守ってくれました。
僕ら人間は一体いつから、本来自分の体内にあるエネルギーのことを忘れ、石炭や石油や天然ガスや、太陽が地球に蓄積してくれた化石燃料に頼って生きるようになったのでしょう。まして太陽そのものが行っている核融合を真似しようなんて。
おごってはいけません。
原子力とは神の領域なのです。
雨宮 処凛(作家・活動家)
原発のない世界をみなさんとともに

©撮影:稲治 毅
本日はうかがうことはできませんが、北海道出身者の一人として、そして私以外の家族全員が北海道に住んでいる者として、常に多大な犠牲を必要とする「原発」を止め、原発のない世界をみなさんとともに目指したいと思っています。
2/19には、東京で「脱原発杉並(副題は自由)」という大規模デモが開催され、参加します。
北海道と東京で離れていますが、心の中で連帯しつつ、歩きたいと思っています。
西尾 正道(国立北海道がんセンター院長)
脱原発は人間としての見識である

そのため利害が一致した政府・官僚・企業が一体となり隠蔽体質を当然として電力供給を独占してきた。さらに御用学者も加担し、ジャーナリズムには最大のスポンサーとなって、原子力ムラのペンタゴンを形成してきたのである。
しかし福島原発事故により、『安全神話』だけではなく、事故や使用済み燃料の処理を考えれば『安価神話』も完全に崩壊した。人間とは相いれない放射線の健康被害を隠蔽するのではなく、放射性物質を出さない環境で生活すべきである。
六ヶ所村の再処理工場がフル稼働した場合の年間放射性物質の量は800トンであり、広島原爆の100万倍である。 半減期が億年単位のこんな膨大な制御できない放射性物資を未来の子孫に残すのか。見識ある人間が行うことではない。
アルコールや薬物依存症の治療のポイントはスパッとやめることである。同様に日本の原発依存症の治療は即脱原発が最も有効な治療法なのである。
小野 有五(北海道大学名誉教授)
安全な北海道をみんなの力で!

福島第一原発では、放射性物質の大部分は太平洋に出てしまいましたが、西にある泊原発が事故を起こせば、放射能汚染は小樽や札幌を直撃します。北海道の農業、酪農、水産、観光は、すべて崩壊します。
安全な食料基地としての北海道、子どもや孫たちが安心して暮らしていける北海道にするために、いまこそ泊原発を止めましょう。函館のわずか23km先につくられようとしている青森県の大間原発も止めましょう。
原子力の最大の問題は、事故の危険だけでなく、あとに何万年も保管しなければならない危険な核のゴミが残ることです。世界中で、その安全な処理方法を見つけられた国はまだどこにもありません。
核のない北海道、安全な北海道を、いまこそ、みんなの力でつくりましょう!
麻田 信二(北海道生活協同組合連合会会長理事)
原発に依存しない社会を作る運動を地球全体に

原発事故を契機に、自然再生エネルギーの開発利用を促進することが、将来の子どもたちに対する今を生きる私たちの責任です。そのためには、原発の再稼動を考えるのではなく、一日も早い脱原発の決断が求められています。
食料と環境の問題は、国民一人ひとりの問題であり、持続的にこの美しい地球を維持していくためには、私たちの生活を見直さなければなりません。2012年は国連が決議した国際協同組合年です。一人は万人のために、万人は一人のためにという協同組合主義こそがこれからの社会の基本です。原発に依存しない社会を作る運動を地球全体に広げていく出発年にしようではありませんか。