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7.30 第9回憲法問題連続講座を開催

掲載日:2016.07.30

戦争をさせない北海道委員会は、7月30日に、ホテルポールスターにて、「第9回憲法問題連続講座」を行い、250人が参加した。

主催者を代表して飯島教授が、「子や孫の世代にどう伝えていくかということを考えるきっかけとして」と挨拶。

主催者を代表して飯島教授が、「子や孫の世代にどう伝えていくかということを考えるきっかけとして」と挨拶。



昨年強行成立した「安保法制」により、米軍などの後方支援を行うことも法的に可能となり、これまで禁じられてきた「弾薬の輸送」や「戦闘作戦行動のために発信準備中の航空機に対する給油及び整備」も可能となった。また、「後方支援」が可能とされる場所も「現に戦闘が行われていない現場」とされ、例えば数時間前まで戦闘が行われていた場所では、現に目の前で戦闘が行われていなければ「後方支援」が可能となった。このような任務の拡大により自衛隊員のリスクが格段と高まるのは明らかで、「第9回憲法問題連続講座」では、主に戦車部隊の戦車等に弾薬、燃料、糧食等の補給業務という、まさに「安保法制」でいうところの兵站、「後方支援」にあたる任務に就いていた元自衛隊員の末延隆成さんをお招きし、「安保法制」で自衛隊員のリスクは? そして、自衛隊の実態は? などの実態を明らかにしてもらった。

飯島・教授

飯島・教授



主催者挨拶で、戦争をさせない北海道委員会「呼びかけ人」の飯島滋明・名古屋学院大学教授は、「本来、学者は政治にべったりくっつくべきではない、距離を置き冷静に判断し、社会に発信していくのが学者の役割。ですが、今、そんなことを言っている時代なのか?と。ナチスが台頭した一つの原因は、学者がおとなしすぎたという反省面がある。学者の会というものが全国で発足していて、1万4000人の色々な分野の研究者が、今回の戦争法案はマズイということで発信をしている。現場を見ないで机上の空論をすると一番困るのは現場の兵士とその家族。今日の集会の目的。現在、法律的には海外での武力行使は可能。だが、実際武力行使したら、どんな目にあうのかということを踏まえるのが大切。今日の講演を聞き、子や孫の世代にどう伝えていくかということを考えるきっかけとして頂けたら」と挨拶した。

「戦場をリアルに知らない自衛官が、何も知らない国家権力の命令を受けねばならない状況に置かれている」と警鐘を鳴らす清末准教授

「戦場をリアルに知らない自衛官が、何も知らない国家権力の命令を受けねばならない状況に置かれている」と警鐘を鳴らす清末准教授



基調報告では、戦争をさせない北海道委員会「呼びかけ人」の清末愛砂・室蘭工業大学大学院准教授が、「自衛官が戦地で業務を終え、無事に帰還できたとしても、そこで終わりではない。帰還自衛官は強い精神的不安を抱えているだろう。自衛隊は日本の中でも男女共同参画が最も進んでいる組織。性別問わず期間自衛官は日本に戻った時、PTSDやTBI(外傷性脳損傷)、記憶障害、鬱、不安症状が出てくる可能性がある。その被害は本人だけでなく、配偶者、恋人、家族といった身近にいる人に対し、暴力やDVといった形で現れる可能性も非常に高い。これはアフガン戦争等に従事した米兵の帰還後の問題も、アメリカでは研究されているが、自衛隊もそういう問題を抱えていくことになるだろう。また、隊員の自殺率も加速する可能性が高くなるだろう」と警鐘を鳴らした。

自衛隊の驚くべき実態を説明する末延さん

自衛隊の驚くべき実態を説明する末延さん



講座のメインである「元自衛隊員が語る 安保法制と自衛官の実態」では、末延隆成さん(元自衛官)と清末愛砂さんが対談を行った。

清末)末延さんは昨年あたりから、元自衛官として安保法制に反対する声をあげてこられたが、その理由をお聞かせください。

末延)安保法案をやる、やらないという日本の状況になってしまったので、黙っていられず活動することにした。

清末)集団的自衛権の行使で、海外での戦闘行為に関わることになり、後方支援業務が拡大されることになる。現場の隊員はどのような危険性を負う様なことになるのか?

末延)後方支援の話。去年の国会質疑の際、後方支援は危険じゃないという発言があったが、間違い。一番危険。後方支援というのは軍用用語ではない。兵站業務のこと。物資、食料、弾薬、燃料、水といったものの補給をする部隊。そういった物は、自分達も必要な物だが、相手側も欲しいもの、必要とするもの。補給部隊を倒せば、相手を倒したと同時に物資も手に入ると。だから当然狙われる。補給部隊は殆ど武装していない。ほぼ裸同然。それが戦場でのこのこ走っていたら相手は見逃さない。補給業務は平時ならば一つの物を相手先に届けるのに、一つ送れば確実に届くが、有事の際は一つ届けたかったら、その10倍は送らないと相手方に届かない状況になる。当然、補給部隊の出動回数は増えるし、リスクも高まる。

清末)後方支援は国際法上、十分武力行使の範囲だが、日本だけ後方支援が武力行使ではないというのは、おかしな解釈。戦闘行為のリスクは?

末延)戦闘地というのは異常な状況。味方を敵と間違えるなんていうことは往々にしてありうる話。改正自衛隊法122条というのがあって、自衛隊は上官の命令に服従しなければならないという義務があるが、改正前は、国内で有事の際の防衛出動で上官の命令に背くと懲役ありの有罪になるが、改正後は海外においても背くと有罪という内容に変えられた。自分の良心をもって背いたら罰則をくらうことになる。逆に異常な命令を聞いて民間人を殺したら殊勲の対象になる。矛盾していると思いませんか。自衛官は労働基準法も適用されないし、問題が多くある。

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清末)自衛隊は、実践に向けた演習をしているように私は思う。駐屯地で実弾使用の報道があった。間違ったんだという説明だったが何かおかしいと感じた。

末延)事故を起こしたのは後方部隊。私たちは武器を使うプロ集団。普段間違えることはない。それをあえて間違ったと。しかも何人ものチェックをかいくぐってなんていうのはあり得ない話。有事法制に反対の隊員は多い。賛成派は幹部クラス。あと、OB。OBは自分が戦地に行くことないから結局他人事。派遣されるかもしれない隊員からすると、死ぬリスク、殺すリスク。残された家族だってどうするんだという話。私は現役時代、家族に対して遺書を書かされた。私は物凄く嫌がらせも受けたが、それを自衛隊から取り返した。自分の妻は、なんでそんな理不尽なものを書かされたんだと泣いていた。自分の家族が国に強制されてそんなものを書かされたら、どんな気持ちになりますか。冷戦の時代に、そういう遺書を書いたことはある。それは、ソ連軍が日本に攻めてくる可能性を想定して書いた。今回書かされた遺書は意味合いが違う。防衛措置として書くような目的のあるものなら隊員も納得するだろう。今回は有事法制を前提とした遺書の書き方。

清末)最初に遺書の話を聞いた時、ここまできたかという思いだった。かつて特攻で遺書を残した事と重なるような感覚だ。死を前提、強制させられる。この事実を多くの市民は知らないはず。

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末延)なお、訓練内容を自衛隊は公表しない。私たちは威嚇射撃をしない。相手が居たら確実に殺すという訓練をしている。空砲であっても、仕留めるつもりで訓練をする。実弾と空砲では形状が違う。素人でも一目瞭然。それを9人もの人が間違えるなんてありえない。撃っていた人間は実弾だと意識して分かっていたはず。だからこそ79発撃っても1発も当たっていない。

清末)空砲と実弾では撃った感触も音も全く違うから、分かって撃っていたのではと思う。いくら嘘をつこうとも、ちょっとした嘘でばれていく。やはり実践にむけての訓練をしていたんだなと私は感じた。では、もし徴兵制が出来たとして、私にたとえ、何日位したら使える兵隊になりますか。

末延)安倍さんは、徴兵はやらないと言った。兵隊はプロの職業だから、引っ張ってきた連中は使い物にならないからやらないと。実際は違う。自衛隊は今女性が多い。女性でも出来るから。昔はローテクだから力仕事が多かった。今はハイテクだから女子供でも出来る。極端に言うと無人機なんていうのはゲーム感覚。現場の自衛官が徴兵で引っ張られた人に要求するのは、専門的なことではない。車の免許位持っていたら、それで十分で、後方支援の際、自衛官が乗る車の先行をしてくれるだけでもいい。おとりですね。意志疎通出来て、車の運転できれば尚良しくらいのもの。自動小銃を撃つ様なことを要求するならば、私がマンツーで教えるなら半日~1日あれば十分。他の軍隊は人員構成がピラミッド型。自衛隊はひし型。中間の幅が広い。いざというとき徴兵したら、素人を使えるようにする要員が揃っている。徴兵はやらないと言っていても、やる可能性は高いだろう。

清末)とりあえず、非常に簡単に使える兵士はすぐできると。今、安倍政権は明文改憲の中で、最初に何に手を付けるか分からないが、最有力候補と言われているのが、緊急事態条項を憲法内に創設することがターゲットと言われている。今、トルコが非常事態宣言が出され大変なことになっているが、一つの業務が鎮圧、治安業務にあたるというものがある。日本国憲法が将来変わった時に、民主主義国家の不支持ということでデモ等したら、自衛隊が鎮圧をするかもしれない。私がイスラエルでデモをしていた時、イスラエル軍の戦車から白煙を浴びせられた。鎮圧行為だなと思ったが、自衛隊も訓練しているのか。

末延)自衛隊では戦車に煙幕用の黄燐弾を積んでいた。鎮圧のために使う教育は受けたことがある。

などの対談を柱に、安保法制と自衛官の実態について、明かされた。

また、質疑では、「法制が変わったが、集団的自衛権を認めると言った時、他国は自衛隊を軍隊と思っているのか?」について、末延さんは、「当然。日本では自衛隊と言っているだけで、他国から見たら軍隊でしかない」と述べた。

参加者からは、「具体的な話を聞けとても良かった。とても恐ろしい道に日本は進もうとしていると実感した」との感想があった。

 




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