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教育基本法「改正案」に反対し、撤回を求める声明

掲載日:2006.05.02

PDFへ4月28日午前、小泉首相は、与党が密室で論議し政治的に決着させた教育基本法「改正案」を閣議で決定した。私たちは、国民や子ども・教育関係者不在の決定に強く抗議するとともに、「改正案」の即時撤回を要求する。


 教育基本法は「憲法の理想の実現は、根本において教育の力に待つべき」として制定され日本国憲法と不離一体のものである。日本国憲法は、戦前・戦中の天皇制のもとで国家主義、軍国主義にもとづく政府によって国民を戦争にかりたて国内外に多くの犠牲を出したことを猛省し、平和・国民主権・人権を柱に民主主義にもとづく政治をめざして制定されたものである。
 教育基本法「改正案」の基本的な問題は、このような憲法の理念を根底から覆していることである。具体的には、「平和を希求する」など教育の本質的な目的を削除し、新たに教育の目標を設け「公共の精神」「伝統と文化」「愛国心」など戦前の教育勅語を上回る数の徳目を並べて、その育成を目指していることにある。憲法・教育基本法の理念は、あくまでも国民一人一人の「人格の完成をめざす」ことと平和・国民主権・人権を柱にした民主主義をすすめていく教育を行うことにあった。しかし、「改正案」は、この教育理念と教育システムを180度転換させ、「個人」の尊厳よりも「公」を重視し「国家」に「従う」あるいは国家のために尽くす国民づくりをめざす教育に変えようというものである。これは、昨年11月に発表された自民党「新憲法草案」における「個」よりも「公」=『国家』を重視する国家体制の確立と武力による平和の追求を視野に入れ、戦力の保有や集団的自衛権を行使するというものと軌を一にしているととらえなければならない。
 また、「国旗・国歌法」によって、「日の丸・君が代」が学校現場に強制されているように、「公共の精神」「伝統と文化」「愛国心」などの教育目標により、個人の内面にかかわることや国の一方的な価値観を教育の目標を口実に学校に押しつけてくることは明らかである。
さらに「改正案」は、教育は平等に受ける権利を保障するという教育の機会均等の基本方針を削除し「能力に応じた」教育を強調している。義務教育年限を緩和し、6歳以下の入学や飛び進級に道を開くなど早期に子どもを選び出しエリート教育を法的に容認している。
他方で、国の教育費は削減し、個人や地域住民、地方自治体に財政負担が転嫁されている。まさに、弱者切り捨ての小泉構造改革と一体をなすものである。
 「改正案」は、戦前の天皇制にもとづく軍国主義と国家主義のもとで教育行政が不当に教育へ介入した反省からできた第10条「教育は不当な支配に服することなく」という規定を実質反故にしている。「国・地方公共団体の相互連携」「この法律及び他の法律の定めるところ」を口実に、自民党の考えにもとづき、国、地方公共団体、地域、学校、家庭という上意下達の教育システムと国に従順な教職員を作り、国の教育権をさらに拡大しようとしている。これは自民党による憲法改悪への一歩であり、「戦争のできる国づくり」へと突きすすむものである。
 私たちは、このように戦後民主主義・民主教育などを否定する教育基本法「改正案」に断固反対し、その撤回を求める。そして今後も、道民・市民とともに、平和憲法・教育基本法改悪に反対する運動を総力を挙げて展開する決意をするものである。
2006年4月28日
北海道平和運動フォーラム
代 表 杉山さかえ
代 表 江本 秀春
代 表 小林 雪夫




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